それでも我慢しながら仕事を続け、効率が上がらない。故に仕事に時間がかかり、睡眠時間が削られる。そんな負のスパイラルが⽇常的に起きています。世界でも圧倒的に睡眠時間が⾜りない⽇本。その根幹は、ビジネスパーソンの多くが寝ることにどこか「後ろめたさ」を感じているからではないでしょうか。その意識から変えなければなりません。「#PowerNap」プロジェクトは、睡眠を生活のための⼤切な「チャージ」だと捉え、まずは毎⽇の「昼寝」を推進します。たった15分の睡眠が、⽇々のパフォーマンスを⾼め、社会全体の活⼒につながる最初の⼀歩だと信じて。福岡から「眠り⽅改⾰」はじまります。

夜の睡眠量に関わらず、日中の眠気は日常的に襲われるもの。特に午後には顕著に眠気やだるさが強く現れ、作業エラーをはじめ、効率悪化を引き起こしてしまいます。そうしたなか、30分以下のナップ(仮眠)が眠気を抑え、なおかつ作業効率をも向上させる、という研究結果が出ています(参考文献1,2)。
例えば、14時に20分間の仮眠と仮眠なしの休憩をとった場合での、その後の作業成績を比較した林ら1)の実験では、仮眠をとった場合では眠気、作業成績ともに改善することが示されています。
また、作業負荷の高いVDT作業を2時間行い、途中20分の休憩中に仮眠をとった場合ととらなかった場合の疲労度を比較した実験では2)、仮眠をとらなかった場合は、一時的に疲労が低減するものの、その後再び疲労が高まります。一方、仮眠をとった場合は、その後疲労は低いままです。このように、短時間仮眠が疲労予防に有効であると報告されています。
なお、30分以上の仮眠は、深い眠りに入ってしまい、その後の眠気に影響を与えてしまうため、パワーナップは30分未満が最も効果的だと言われています。実際、西川株式会社でも社員100名が昼間の15~20分程度の仮眠したところ、約9割の人が実施前と比べてストレスや眠気が減ったと感じているという報告結果が得られています。
現状、職場で仮眠をとることが難しいと云われています。だからこそ、#PowerNapの呼びかけを、市と企業がタッグを組み、街全体で積極的に行っていきたいと思います。
- 参考文献
- 1)Hayashi M et al. :The effects of a 20-min nap in the mid-afternoon on mood, performance and EEG activity. Clin Neurophysiol,110:272-279,1999a
- 2)Hayashi M et al. :Short nap versus short rest :recuperative effects during VDT work.Ergonomics,47:1549-1560,2004.